ご挨拶
日本生態学会第57回大会は、大会企画委員会のみなさま、実行委員会のみなさま
の多大なご尽力とみごとな連携プレーのおかげで、史上空前の2,386人の参加者を得
て、盛会のうちに無事終了いたしました。参加者のみなさま、各委員会のみなさまに
は心よりお礼を申し上げます。
懇親会の折、ふと思いついて年齢の調査をさせていただきました。その結果、先行
き心配の大きい日本の成人人口の年齢構成とはまったく異なり、20代、30代の層が厚
く60代以上は誤差範囲内という極端なピラミッド型の年齢構成であることが判明しま
した。そのせいか、ポスター発表の会場も、懇親会も、若々しい熱気が漲っていまし
た。このことは、生態学の今後のいっそうの発展を予測させます。しかし、現在、若
い人たちがキャリアを積んで安定したポストにつくには、難しい問題がいくつもある
ことも事実です。私たち熟年世代には、生態学を志す若い人たちが研究へのその熱意
を末永く持続させることができるよう、この問題の解決に向けてあらゆる手をつくす
責務があると感じました。生態学会が求心力を保ちながら学術においても社会におい
ていっそう多様な役割を果たしていく近未来に向けて、それはもっとも喫緊の課題な
のではないかと思います。
大会会長 鷲谷いづみ