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一般講演(口頭発表) B1-01
窒素(N)を多量に含む種子を作る植物では、大気中のCO2濃度が上昇しても、同時にNの供給が十分でなければ種子生産は促進されない。N固定菌と共生関係を持つ植物では、植物が光合成で同化した炭水化物をN固定菌に供給する代わりに、菌が固定したNを利用することができる。植物から根粒菌に供給される同化産物は、CO2上昇によって増加する。ゆえに、根粒着生種が利用可能なNそして種子生産は高CO2下で増加する、という仮説が成り立つ。本研究では、以上の仮説を検証するために、根粒着生、非着生ダイズ(それぞれEnrei、En1282)を2つのCO2濃度下(360, 560 ppm)で生育させ、N同化と収量(種子生産)を調査した。高CO2下において、EnreiのN同化と収量は増加したが、En1282では有意な増加は見られなかった。また、Enreiにおける高CO2によるN同化の促進は、栄養成長期間には見られず、開花後に見られた。これは、N固定菌によるNの供給が、開花期以降に急増したことと符号する。以上ふたつの結果は、上の仮説を支持する。