| 要旨トップ | 日本生態学会全国大会 ESJ55 講演要旨


一般講演(口頭発表) E2-02

東欧産マメゾウムシの寄主決定要因:植物の形態、化学・季節生態、系統の効果

*津田みどり,山田直隆(九大院農),G.J.Kergoat(INRA),G.J.Kenicer(王立植物園),Z.Gyorgy(ハンガリー自然史博),A.Szentesi(Lorand Eotvos大),T.Jermy(ハンガリー科学アカデミー)

植食性昆虫の寄主植物シフトによる種分化は、植物のどのような形質に依存してきたのか?植物の匂い(揮発性物質)、地理、系統、形態やフェノロジーなどの候補要因が個別に提案されてきたが、これら複数の要因を客観的、統合的に検証する試みはあまりない。そこで本研究では、近年寄主植物の解明が進んだ狭食性の東欧産マメゾウムシBruchus属12種とその寄主マメ科草本20種(ソラマメ連)の組み合わせについて、ハンガリーにて野外調査を行い、マメゾウムシ分子系統樹(Cytb, 12S, COIに基づくベイズ推定)と各寄主形質――1. 寄主の形態(外果皮の表面形態)、2. 化学生態(豆果の表面成分)、3. フェノロジー(豆果形成時期)、4. 分子系統樹(ITS, trnL, matKに基づくベイズ推定)――との一致度を統計検定した。

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