| 要旨トップ | 日本生態学会全国大会 ESJ55 講演要旨


一般講演(口頭発表) E2-10

シロハラによる種子散布

*平田令子(鹿児島農連大),平井周作(鹿大院・農),畑 邦彦,曽根晃一(鹿大・農)

秋〜冬季におけるシロハラの種子散布者としての働きを評価するために、鹿児島市に位置する鹿児島大学構内において、シロハラの生息個体数の変化と食性の変化を調査した。生息状況を調べるために、2006年5月から2008年1月まで、毎月3〜4回、雨天時を除き、日の出後約1時間以内にルートセンサスを行い、個体数を記録した。また、食性を調べるために、2006年3月から2008年1月まで、週1〜2回、かすみ網によりシロハラを捕獲し、糞を採取して内容物を判別した。

2006年は、シロハラは10月中旬から確認され始め、11月には1センサスあたり平均6.5羽、12月には11.0羽、1月には13.3羽と1月をピークとして徐々に増加した。2月、3月はそれぞれ9.0羽、7.3羽と減少し、4月末には見られなくなった。また、2006年11月から2007年3月にかけて、毎月4〜13羽、計42羽のシロハラから糞を採取することができた。そのうち20羽の糞から、クスノキやクロガネモチなど13種123個の種子が回収された。11月及び12月に捕獲された14羽の糞からは種子や果皮等の植物質のものしか出現しなかったが、1月以降は捕獲された個体の38%が植物質と同時にカタツムリや昆虫類など動物質のものを排泄した。2月には50%の個体が、3月には捕獲された5羽全てが動物質のものを排泄した。

以上のことから、鹿児島大学構内において最も多く観察された1月には、シロハラは果実以外に動物質のものも食べていることが分かった。このことからシロハラの種子散布者としての働きを評価する上では、個体数の季節変化に加えて彼らの食性の変化も合わせて考慮するべきではないかと考えられた。大会では2007年の調査結果と合わせて報告する。

日本生態学会