| 要旨トップ | 日本生態学会全国大会 ESJ55 講演要旨


一般講演(口頭発表) I2-07

アリー効果が及ぼすメタ個体群動態への影響

佐藤一憲(静大・工)

アリー効果を入れた個体群動態モデルは,ロジスティックモデルを変形して,個体群密度が低いときには負の個体群成長率となるように定式化される.個体群成長率は,通常,Lewis & Kareiva (1993)のように,個体群密度の3次関数となるように定式化されることが多いが,生態学事典(2003)で引用されているBulmer (1994)のような個体群密度の閾値モデルによって議論されることは少ない.たとえば,Amarasekare (1998)は, Levins (1969)のメタ個体群動態モデルに前者の方法によってアリー効果を入れている.ここでは,まずこの2つの方法によるモデルの相違点と類似点を明らかにした上で,アリー効果を入れたメタ個体群動態の格子モデルを定式化して,そのダイナミクスの特徴を示す.また,Liebhold & Bascompte (2003)のような確率モデルとして扱うことによって,侵入種の侵入条件(あるいは根絶条件)を示し,明示的な空間構造の重要性を明らかにする.

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