| 要旨トップ | | 日本生態学会全国大会 ESJ55 講演要旨 |
一般講演(ポスター発表) P2-068
群集の組成は、地域の種プールと攪乱によって主に規定されている。人工林に更新してくる樹種もこのような要因によって規定されているはずである。人工林の自然再生を考える上では、どのような樹種がどのような密度で更新しているかを考えることが必要であり、それは地域の種プールを構成している種とその攪乱に対する耐性によって変わってくるはずである。しかしながらそのような視点での研究は見られない。そこで、標高傾度に伴う種プールの変化と、人工林管理に伴う攪乱がカラマツ人工林に出現する高木種の組成に及ぼす影響を明らかにすることを目的に調査を行った。調査は、山梨県櫛形山のカラマツ人工林(標高1280-2030m、林齢25-63年生)と、それに隣接するミズナラやコメツガが生育する天然生林(標高1280-2040m)を対象にした。それぞれの森林タイプに、10×10mの調査区を設定し、その内部に5×5mの稚樹調査区を設けた。調査区内では胸高直径3cm以上の生立木・枯立木を対象にした毎木調査を、稚樹調査区内では苗高30cm以上胸高直径3cm未満の高木性樹種を対象にした調査を行った。カラマツ人工林は59林分、天然生林は26林分を対象とした。