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一般講演(ポスター発表) P3-211
オークションの代表的なものに入札価格を競り上げていくイングリッシュオークションと一斉に入札して最高額入札者と2番目に高い価格で取引する第2価格オークションがある.イングリッシュオークションで入札者が最終的に競り上げる上限価格を第2価格オークションの入札価格と対応させる事でイングリッシュオークションは第2価格オークションと同等であると考える事ができる. また第2価格オークションでは「商品に対して私的価値を入札する」ことが最適戦略である. インターネットオークションの1つであるYahoo!オークションは「最も高い値をつけた人が2番目に高い付け値で財を競り落とす」という点で第2価格オークションの, また「財の値段を少しずつ吊り上げながら買う意思を示す」という点でイングリッシュオークションの性質を持っている.Yahoo!オークションの履歴データの解析結果から入札者が, 多くの場合私的価値を入札していないと考えられる. そこで, 第2価格オークションの最適戦略である私的価値を入札する戦略とYahoo!オークションで観測された最低入札価格を入札していく戦略のどちらがインターネットオークションにおいて有利であるかをシミュレーションにより調べた. その結果, オークションに参加する人数に対して総入札回数が大きいときには最低価格戦略が有利となり, また人数に対して総入札回数が小さいときには私的価値戦略が有利となることがわかった. 参加人数と総入札回数の差が大きいときに, 解析的に利得の期待値を近似し, このことを確かめた.