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一般講演(ポスター発表) P3-235
同所的に生息する近縁のフクロウ2種の営巣樹洞の選好性
オオコノハズク(体長24cm, Otus semitorques )とリュウキュウコノハズク(体長21cm, Otus elegans)は沖縄本島北部の森林に同所的に生息し、共に営巣場所として樹洞を利用する。本研究ではこれら2種の営巣樹洞を記載し、その選好性を種間で比較することにより、どのように営巣場所を分割し同所的に共存しているかを明らかにすることを目的とした。
まず2種類のフクロウの営巣樹洞の特徴を比較した。オオコノハズクでは8巣の営巣樹洞を発見し、それらの内7巣は自然樹洞で巣の入口が大きく中の広いものを利用していた。リュウキュウコノハズクでは15巣の営巣樹洞を発見し、14巣がキツツキの古巣で入口と中の広さが、オオコノハズクに比べ有意に狭かった。樹洞の高さに関しては種間で差は見られなかった。
更に森林内に大(入口:10cm底面:20cm, 深さ: 30cm)小(入口: 6cm, 底面: 15cm, 深さ:30cm) 二つのサイズの巣箱を、高さ、7m以上、3-4m 、1.5m 以下に各50個、計300個を設置し、フクロウがどのように利用するか比較した。オオコノハズクは大きな巣箱のみを利用し、リュウキュウコノハズクは大小両方の巣箱を利用した。リュウキュウコノハズクではサイズにより巣箱の選好性の差は見られなかった。高さでは両種共に高い位置に設置された巣箱を選好した。
巣箱を付加しない自然の状態ではリュウキュウコノハズクの大きい樹洞の利用はオオコノハズクによって制限されている可能性が示唆され、結果的にリュウキュウコノハズクが小さい樹洞を利用している事が考えられた。このことから、これら2種類のフクロウは利用する樹洞の大きさが異なることにより、営巣場所を分割し共存していることが示唆された。