| 要旨トップ | 日本生態学会全国大会 ESJ55 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P3-268

兵庫県猪名川町における里山林管理と林床植生との関係

*伊東宏樹(森林総研多摩),日野輝明(森林総研関西),岩本宏二郎(森林総研多摩),島田和則(森林総研),勝木俊雄(森林総研)

兵庫県猪名川町のクヌギ萌芽林と、それに隣接する放置された二次林において、出現する林床植物を比較した。調査は2006年から2007年にかけて実施した。(1)放置アカマツ林、(2)放置広葉樹林、(3)伐採当年の萌芽林、(4)伐採後2〜3年(成長期)の萌芽林、(5)伐採後6〜7年の萌芽林のそれぞれについて10m×10mの大きさの調査区を2〜6ヶ所に設置し、さらにそのそれぞれを4分割して、そのうちの2つを方形区(5m×5m)とした。各方形区について最低年3回のモニタリングをおこない、方形区内に出現した維管束植物(H<1.3m)の種を記録した。2つ以上の方形区に出現した種を対象に、その年単位での出現回数(0/1/2)を、観察年数(1/2)・林分タイプ(アカマツ放置林/広葉樹林)・広葉樹林の管理タイプ(放置/伐採後0年/1〜2年/5〜6年)とプロット間差・種間差で説明する階層ベイズモデルを作成し、マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)法によりパラメータを推定した。

その結果、全体的な種の出現確率は、林分タイプ間では大きな差はなかったものの、管理されている萌芽林ではいずれの伐採後年数においても放置広葉樹林よりも高くなっていた。樹種別の傾向をみてみると、アカマツ放置林と比較して広葉樹林では、リョウブやシロダモ・ヤブツバキなどの出現確率が低くなる一方、コウヤボウキ・モチツツジ・サルトリイバラなどの出現確率が高くなっていた。放置広葉樹林と管理されている萌芽林とを比較すると、伐採当年の萌芽林ではベニバナボロギク・タニウツギ・ダンドボロギクなどの、伐採後2〜3年の萌芽林ではヤマシロギク・イヌザンショウ・ツユクサなどの、伐採後6〜7年の萌芽林ではオオカモメヅル・ムラサキシキブ・ツユクサなどの出現確率がそれぞれ高くなっていた。

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