| 要旨トップ | 日本生態学会全国大会 ESJ55 講演要旨


企画集会 T07-2

キイロショウジョウバエにおけるゲノムワイドな時計遺伝子解析

松本 顕 (九大・高等教育セ)

概日時計は、ある種のバクテリアから植物、ヒトにいたる多くの生物に見られ、遺伝子発現から内分泌、行動など広範な生命現象の時間的な秩序を司る。この測時システムの根幹には、時計遺伝子転写に関する自己フィードバックループがあると考えられているが、遺伝子ネットワークの全貌解明にはいたっていない。私たちは遺伝学的な解析が容易なショウジョウバエを用いて、概日時計システムの包括的な解析を試みている。手初めてとして、DNAマイクロアレイを用いたゲノムワイドな発現解析によって、ショウジョウバエの全遺伝子約14,000個の中から、頭部での発現に日周リズムを示す約200個の遺伝子群を同定した。これらの中から、周期性の維持・発振に中心的な役割を果たす時計遺伝子を選別するため、in vivo RNAi法を用いた行動レベルでのスクリーニングを行っている。これまでに133遺伝子をスクリーングし5つの新規時計遺伝子候補を同定した。これらの解析結果に関して報告する。

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