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自由集会 W14

侵略的外来アリ類の脅威

企画者: 辻 和希(琉球大学農学部)

外来アリ類は体サイズが小さく、物資に随伴するなどして容易に移送されるとともに、社会性昆虫という生態的特性により、旺盛な繁殖力を示すことから極めて侵略性の高い外来生物と考えられる。特に南米原産のヒアリSolenopsis invictaは、攻撃性および毒性が高く、世界的にもその生態影響および健康影響が大きな問題となっている。我が国でも既に本種は環境省・外来生物法において規制対象種である「特定外来生物」に指定されているが、実際には防除対策は皆無に等しい状況にある。既にアジア地域においては台湾や中国南部まで侵入が確認されており、日本への上陸も時間の問題とされる。北米で年間100人もの死者を出しているこの脅威的な外来生物に対して、日本の生態学者および行政はより強い危機意識を持つ必要がある。本集会では、ヒアリを含む外来アリ類の生態的特性および生態リスクに関する知識・情報の共有化を図り、今後の外来アリ類の防除・管理策ついて具体的議論を展開する。

The Fire Ant Solenopsis invicta: A Threat to the Ecology and People of Japan? Sanford Porter (USDA-ARS)

ヒアリは、なぜ21世紀に入って環太平洋諸国へ侵入し始めたのか? 東正剛(北海道大学)

外来アリ類はなぜ侵略的となるのか? 辻和希(琉球大学)

アルゼンチンアリの侵入と生態系への影響 寺山守(東京大学)

台湾におけるヒアリの侵入影響実態 岸本年郎(自然環境研究センター)

外来アリ類の防除〜検疫・分布拡大予測・駆除〜 五箇公一(国立環境研究所)

日本生態学会