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自由集会 W16

長野県における狩猟による鳥獣の捕獲

企画者: 高橋聖生(信大・生物)

シカやイノシシなどの有害鳥獣の増加による農林業の被害が増加し、また一方で地域的に生息数の減少が指摘されている鳥獣もいる。こうした背景の中で生態系の保全と狩猟のバランスの重要性はますます高くなってきていると考えられる。狩猟に関する法令は「鳥獣の保護ならびに狩猟の適正化に関する法律」で定められ、鳥獣の捕獲数などは国や県からの統計によって知ることができる。例えば長野県ではここ数年はシカは年間数千頭ずつ捕獲されている。しかし、日本国内の狩猟免許保持者は十数万人いるにも関わらず、ほとんどの人は狩猟の制度、技術はもちろん場合によっては日本国内で狩猟が行われていることすら知られていないことがある。特に捕獲技術や獲物の処理の実際については知識はほとんどないのが現状である。本集会では長野県における狩猟の実際の様子や技術、狩猟者の狩猟に対する考え方などを3シーズンにわたり取材し体験したことを現場のレベルから紹介する。鳥獣の捕獲方法は銃器、罠、網による捕獲の3つがあり、これを対象の鳥獣や時期、周囲の環境などにあわせて使い分ける。捕獲技術は各狩猟者が個人で長年をかけて培ってきた技術なので他者には秘密にしている部分が多く、そのため体系化されていないが、その例を狩猟者から具体的に聞き取ったことや現地での写真を多用して紹介する。また冬に行われる通常の狩猟と夏季に行われる有害鳥獣駆除、個体数調整について一日の動きを具体的に紹介する。

最近数十年の長野県における狩猟、有害鳥獣駆除について 布野兼一(長野県猟友会)

長野県における鳥獣の捕獲の実際 高橋聖生(信大・生物)

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