| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) PA1-042

多摩川における帰化植物群落の組成と類型

*村上雄秀(国際生態学センター), 松江大輔(東京農大), 佐々木 寧(埼玉大学)

東京,神奈川を流れる多摩川(全長138km)は流域の都市化が進み,青梅市以下の中下流では河川敷植生の帰化植物群落化が顕著である.市街地河川の河辺植生の帰化植物群落への置換は横浜市の報告がある(村上 1986,1989など).多摩川では多くの河辺植生の報告があるが(奥田 1978;奥田ほか 1995;中村 2007など),本研究は多摩川に出現する帰化植物群落の類型について明らかにし,在来植生との生態的な差や種多様性の評価を行うことを目的とした.2008年度に実施した植生類型調査の結果は以下の通り.

1.多摩川の堤外地に生育する帰化植物群落として以下の19植生単位を認めた.

<タウコギクラス>ハイコヌカグサ群落,チクゴスズメノヒエ群落,オランダガラシ群落,オオブタクサ群落,キクザキセンダングサ群落,メリケンガヤツリ群落,ホウキギク群落.

<シロザクラス>アレチウリ群落,ネズミホソムギ群落.

<セイヨウオオバコクラス>オニウシノケグサ群落.

<ヨモギクラス><カワラハハコ−ヨモギ群団>シナダレスズメガヤ群落,ナギナタガヤ群落.<その他>キクイモ群落,セイバンモロコシ群落.

<ノイバラクラス>クコ群集.

<クサギ-アカメガシワ群団>オニグルミ群落,マグワ群落,キササゲ群落,ニワウルシ群落

2.多くの帰化草本植物群落は裸地に,帰化木本植物群落は草原に進入・生育しており,群落成立時には在来種との競合は顕著でない.

3.構成種では優占種が帰化植物である群落では帰化種,在来種優占の群落では在来種が優勢である.帰化木本群落に関しては遷移段階により在来種を多く含む林分も存在する.帰化植物群落と同位の在来植物群落間の出現種数の差は明瞭でない.

4.帰化植物群落は群落複合を形成する場合が多く,ある区域の河辺植生全体が帰化植物群落群に置き換わる状況が一般的である.


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