| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) PA1-171

エゾアカガエルの陸上ハビタット利用-夏季と秋季の比較-

永美暢久*,赤坂卓美,中村太士(北大・院・農)

近年、様々な要因により世界的に両生類個体群の急激な減少が報告されており、その保全が求められている。その要因の一つとして生息環境の消失・劣化があげられる。両生類は、その生活史のなかで水域と陸域の両方を必要とするため、水域と陸域が、それらのつながりを含めて適切に保全される必要がある。適切なハビタットとして必要な条件は種によって特有であると考えられており、したがって対象地域に生息する様々な種の両生類の生態的特徴を理解することが求められる。

両生類の生活史の中で、非繁殖期は最も個体の移動・分散が大きくなる時期であり、より広域のハビタットを必要とする。日本のように季節が明確に分かれる地域では、利用できる資源が季節により大きく変化すると考えられるため、ハビタットの選択性を十分に把握するためには季節的な違いも考慮に入れる必要がある。

エゾアカガエル(Rana pirica)は北海道内に広く分布する固有種であり、主に森林や湿地を中心に生息する。近年、特に都市域周辺では、生息域面積の減少だけでなく、外来種との競合などによる生息環境の劣化が進んでいる。しかし、その生態についてはほとんど明らかにされていないため、本種の生息環境の保全に資する基礎的知見を提供するものとして、2008年に、繁殖後から夏にかけての期間(夏季)と初秋から冬眠までの時期(秋季)についてラジオテレメトリー法によってマイクロハビタットの選択性とその季節的な変化を検証した。


日本生態学会