| 要旨トップ | ESJ56 シンポジウム 一覧 | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨


シンポジウム S05 -- 3月18日9:15-12:15 K会場

撹乱の応用進化群集生態学 − 外来侵略アリからクローナル植物まで

企画者: 辻 和希(琉球大・農)

このシンポジウムでは撹乱をキーワードに分類群を超え,生態学の新たな理論枠の提示を目指す.アリ,サンゴ,そして植物の7割をも占めるとされるクローナル植物には共通性がある.それはそれぞれが生物多様性保全や生態系サービス維持のための鍵と成りうる分類群である事.そして,一旦定着すれば移動が困難な超個体であることなどである.動けない制約ゆえ,撹乱に対しては,相通じる適応戦略が進化している可能性がある.そこで本シンポは以下に例示した基礎・応用的問題群を撹乱への生物の応答という一般的文脈で整理を試みる.(1)定着性生物における生活史上のトレードオフ,(2) 外来種侵入でみえる群集理論の新側面,(3)外来種の撹乱環境依存性の理由,(4)撹乱が生物多様性と生態系機能に与える影響,(5)外来植物や外来アリの生活史がしばしば進化生態学理論の直感に反する理由,(6)遺伝的多様性が欠如する外来種がなぜ優占するのかなど.これらは多様ながらすべて群集生態学,進化生態学,保全生物学の基本問題に直結している.

コメンテーター: 高田壮則(北大・地環研),酒井一彦(琉大・熱生研)

[S05-1] はじめに,生活史理論がつなぐ超個体の進化,群集,保全 辻 和希(琉球大学・農)

[S05-2] 侵略アリ研究の現状と課題ー平衡群集観への挑戦 辻 和希(琉球大学・農)

[S05-3] 環境撹乱下での,アリのコロニー分割比と拡散距離のトレードオフについて *中丸麻由子(東工大),高田(北大),大槻亜紀子(総研大),辻和希(琉球大)

[S05-4] 撹乱を介した樹木萌芽特性による森林群集の制御機構 久保田康博(琉球大学・理)

[S05-5] 侵略的クローナル植物研究の現状と課題:イタドリを例として 鈴木準一郎(首都大・理工)


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