| 要旨トップ | ESJ56 シンポジウム 一覧 | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨


シンポジウム S24 -- 3月19日14:15-17:15 N会場

大規模緑化における森林の遺伝的攪乱、生態系への影響

企画者: 津村義彦(森林総研), 戸丸信弘(名古屋大)

近年、全国で広葉樹植林が盛んに行われている。広葉樹種苗には配布区域の法的な制限がないため、全国どこからでも入手が可能である。植物集団は長期的な気候変動に対応してその分布域を変遷させながら生き残ってきている。同一種でも地理的に遺伝的な違いが生じていることが多い。遺伝的に異なる集団を人為的に混ぜてしなうことは、これまでに長い年月をかけて自然が作り上げた遺伝構造を壊してしまうことになる。そのため異なる環境で生育した種苗を植栽すると、在来集団への遺伝的攪乱などの影響がでる可能性がある。本シンポジウムでは遺伝的攪乱の問題点、主要緑化広葉樹種の種苗の配布区域設定のためのガイドライン策定、実際に由来の異なる種苗を植栽した場合の問題点などについて講演して頂き、大規模緑化における遺伝子攪乱問題及びその対策について議論する。

[S24-1] 遺伝子攪乱問題と主要広葉樹種の遺伝構造 津村義彦,上野真義,松本麻子,津田吉晃,吉丸博志,武津英太郎(森林総研),斉藤陽子,内山憲太郎,井出雄二(東京大),青木京子(京都大学)

[S24-2] Impact of colonization and bottlenecks on genetic diversity in natural species: confronting theoretical predictions and observed results. Frederic Austerlitz (Universite Paris-Sud)

[S24-3] 葉緑体・核DNAと形態形質の系統地理学的解析にもとづくブナの種苗配布区域設定の試み 高橋 誠(森林総研),平岡宏一,戸丸信弘(名古屋大)

[S24-4] ソメイヨシノとサクラ属野生種との交雑による遺伝子攪乱 向井 譲(岐阜大)

[S24-5] 複数産地由来の苗木が植栽されたブナ造林地における生育状況の比較−地域性種苗を用いる必要性を示す実例として− 小山泰弘(長野県林業セ),陶山佳久(東北大)

[S24-6] 遺伝子攪乱シミュレーションに基づく遺伝的ガイドライン策定の試み 岩田洋佳(中央農研)


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