| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P1-286

異なる景観スケールにおける河川生態系の解析

*三浦佳林(横浜国大・院環境情報学府),大野啓一(横浜国大・院環境情報研究院),渡邉浩一郎(帝京科学大)

生活環境に密着している都市河川の汚濁問題は以前からも問題視されているが近年では農村河川の汚染も認められており河川の汚染問題は全国規模になっている。また近年、河川が自然を育む場としての配慮と美しい景観の創出が求められており、それらに効果的とされる水生植物が積極的に河川整備に導入されている。しかしながら小河川では、護岸等の整備が行われている現状から水生植物による栄養塩類の除去効果を期待することができない。そこで河辺植物も取り入れた河川再生効果としての自浄作用回復による水質浄化効果を伴った小河川におけるエコテクノロジーを活用した水質浄化手法の実現が必要とされる。このことから、実験等により小河川におけるエコテクノロジーの多機能性を生かした水質浄化手法の字つげが求められている。よって本研究では東京都町田市を源に発し、相模湾に注ぐ全長69km流域面積211km2の二級河川であり、下水道計画の遅れ等のよる生活排水の流入によって富栄養化による汚染河川となった経緯を持つ境川と相模川から取水するため河口から約12km上流に接地された取水堰である相模大堰付近にある伏流池を調査地と定める。分析概要として土壌では、pH・EC・全窒素・硝酸態、亜硝酸態、アンモニア態、有機態窒素及び全リン・可給態リンに関する濃度、河川水では前述の土壌分析項目にCOD・DOを加え、可給態リンにかわり正リン酸態リンに関する濃度、植物では硝酸態窒素・全窒素・全リン濃度を分析し、景観調査を実施する。これにより河川そのものが持っている影響と河川周辺の影響を植生的な流れとモニタリング結果を用いて評価し、異なる景観スケールにおいてそれぞれの河川生態系が持っている様々な保全及び浄化等の機能を解析・解明いることを目的とし、考察する予定である。


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