| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P2-123

被食者ー捕食者系における個体間の形質のばらつきの進化

中道康文(九州大・理)

昆虫など多くの動物の発育日数は、同種個体間である程度のばらつきが存在する。被食―捕食の関係にある生物群集においては、このようなばらつきは被食者と捕食者の遭遇のタイミングに影響を与えるため、被食者間で生存率の違いを生じさせる。被食者ー捕食者系においては、地理的な多様性など捕食からの生存率の違いを生み出す何らかの構造が安定性に影響をもたらすことが指摘されてきた。当然、発育日数の個体間でのばらつきも被食者ー捕食者系の安定性に影響を与えると考えられるが、最近までこのような個体間での形質のばらつきの影響はあまり考えられてこなかった。近年、被食者の発育日数のばらつきが個体群内で大きいほど、被食者ー捕食者系の持続性が促進されることが個体ベースモデルを用いて明らかにされた。しかし実際の生物個体群では、ばらつきが限りなく大きくなることはなく、ある程度のばらつきに保たれている。被食者―捕食者系の持続をもたらすような個体間の形質のばらつきが、進化的にどのように変化するかは大きな謎である。

本研究では、生物群集の持続性をもたらす個体間の形質のばらつきの大きさが進化的にどう変化するかを数理モデルで検証する。


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