| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P3-246

矢田川子どもの水辺ワンドビオトープの再生状況 -外来種排除の効果はいかに-

伊藤弓恵, 長瀬拓也, 徳永百代, 増田理子(名工大・社会工学)

H9の河川法改正以降,環境に配慮した河川整備が行われてきている.その一環としてH20.4に名古屋市の都市河川である矢田川に子どもの水辺ワンドビオトープが創出された.ワンドビオトープ創出予定地では外来植物のアレチウリなど多くの外来植物が繁殖していた.このため,特定外来植物の繁殖が懸念されていた.そこで,工事予定の約1年以上前から外来植物の種子を深く埋設することで対策を図ったのちワンドビオトープが創設された.そこで本研究ではアレチウリなどの特定外来植物に着目しつつ,裸地にされたワンドビオトープに侵入する植物を調査することで外来植物の動態を検討した.

調査はH20.4〜H21.6にかけて,斜面部において800×500mmのコドラードを高水敷側,水際,低水敷側に計30個設置した.調査は2週間毎に,各コドラードに出現した実生の個体数をカウントした.

その結果外来植物による侵入は以下のような特徴があることが示された.上流側と水際への植物の侵入が多く,水際には外来植物のケアリタソウ,アメリカセンダングサ, タゴボウモドキが多く侵入した.また,水際と高水敷側とでは侵入植物種に大きな違いが見られた.外来植物種除去の前処理を行った結果,アレチウリの発芽は本調査では確認されなかった.また,外来植物の発芽期間は在来植物より比較的長かった.

前処理はその現地での埋土種子の発芽を抑制するが,外部から種子が持ち込まれる外来植物の侵入を阻止ができなかったことが示された.また,外来植物は発芽期間が長いため,在来植物より繁殖しやすいことが示された.以上から,前処理による外来植物の排除は困難であると示されたため,今後の対策が重要であると考えられる.


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