| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


シンポジウム S06-5

不確実性がある中でどのように意志決定を行えばいいのか?:外来種管理を例に

横溝裕行(国環研)

園芸植物などの商業的に有用な植物が海外から意図的に持ち込まれている. しかし、その商用植物が野生化して、外来植物として生物多様性などに様々な負の影響を与えるリスクがある. 商用植物が拡散しないために封じ込め(containment)を行う事が管理手段の一つとして考えられている.野生化した場合に与える負の影響の大きさや、封じ込めの効果などに関する情報に不確実性がある中でも、導入に関して政策決定を行わなくてはいけない.現在、オーストラリアなどでは商用植物の導入に関してAustralian Weed Risk Assessment modelが用いられているが、商業植物の経済的な価値や、封じ込めのコストや効果は考慮されていない.本研究では、これらを考慮に入れ、商用植物を導入する事により得られる純利益の大きさに基づいて、導入や封じ込めの実施を決定するモデルを構築し、商用植物の導入の条件を明確化した. また、イギリスに導入された商用植物Rhododendron ponticumに関しての事後解析を紹介する.


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