| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


企画集会 T16-2

衛星リモートセンシングによる展葉・紅葉フェノロジー観測

本岡 毅(筑波大・生命環境)

近年、広域の植生フェノロジーを長期継続的に観測する手段として、衛星リモートセンシングが活用されている。その方法は、衛星センサが検知する地球表面の分光反射率の時系列変化から「何らかの変化」を抽出し、その時期を展葉や紅葉などが起きた時期とする、というものである。つまり、分光的な「何らかの変化」を実際の植生フェノロジーに対応づける作業が、まず必要となる。これまで、様々な方法が提案されているものの、地上観測による検証はほとんど行われていない。そのため、分光反射率やNDVIの時系列変化と植生フェノロジーや地表の状態(裸地、積雪、冠水など)の対応関係は十分に明らかになっておらず、先行研究による提案手法の有効性は不明確なままとなっている。

本発表では、地上検証情報(地上での分光反射率の連続計測やウェブカメラ定点撮影など)を利用してリモートセンシングによるフェノロジー観測手法を開発・検討し、日本の展葉・紅葉観測を試みた結果について紹介する。同時に、リモートセンシングによるフェノロジー観測の利点と欠点、今後の可能性と課題などについて報告する。


日本生態学会