| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


企画集会 T22-4

大学農場での地 域連携とアグロエコロジーの展開

小松崎将一(茨城大・農)

持続可能な食料システムを実現していくためには、生態系システムに即した農業を営む生産者と地域の消費者がより直接的な連携をむすび、地域の環境保全に資する生態系バランスを重視した農法の展開を促し、生産者と消費者が持続的な関係構築を目指した文化へ転換することの重要性が指摘されている。わが国では持続可能な農業システムを目指して、減農薬、減化学肥料、有機栽培、あるいは自然農法など多面的な展開を見せている。それぞれの農法を提唱している人々は、たとえば化学肥料の必要性に関する議論など、是か非かというような二極的な議論が多いが、アグロエコロジーの理念では、現行の農法を段階的に生態系に適合する農業システムへと転換するために、生産者と消費者が地域のコミュニティで手を携えて合意形成をすすめるためのアイデアの体系化を目指している。

本報告では、大学農場での地域連携活動についてアグロエコロジーの視点から検討し、地域あるいは地球規模での食と農の生態系システムの持続的管理とアグロエコロジーの可能性について考察する。


日本生態学会