| 要旨トップ | ESJ57 フォーラム 一覧 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


フォーラム U01 -- 3月15日15:00-17:00 A会場

高校生物の教科書が大きく変わる−次期学習指導要領への取り組み

主催:生態学教育専門委員会  嶋田正和 (東大・総合文化・広域)

 高校教科書の次期学習指導要領とその解説が公開になり、さまざまな反響を呼んでいる。「生物基礎」(2単位)と「生物」(4単位)に分かれ、「生物基礎」では冒頭で「生物の特徴−生物の共通性と多様性」を教える。これには「共通性は起源の共有に由来することを扱う」と解説があり、進化系統の視点が導入の基本に据えられている。科学的リテラシーへの対応と現代化のために分子生物学入門(生物の共通性を学ぶ)の内容が大項目1に、健康への理解のために生物の体内環境の維持が大項目2に、また環境への理解のために生物の多様性と生態系が大項目3にそれぞれ位置している。ここでは生態系保全が前面に出ている。このように、高校生の85%が履修する「生物基礎」は大きく変化した。そして、同じ分野のより高度な内容がスパイラル学習として「生物」で取り上げられる。行動ならば神経行動学、生態ならば生物多様性の3要素と絶滅リスク増加要因など、進化ならば分子系統樹が前面に出てくる。

 このような大変革への取り組みを探りたい。

・演者(所属)/講演タイトル

   嶋田正和 (東大・総合文化)

     「はじめに−企画趣旨の説明」 

   松浦克美 (首都大東京・生命科学)

     「生物学の進展を踏まえた再構成と重点の変更」

   高校現場で1名(都生研の教員にお願いする予定) 

     「教育現場からの取り組み」

   中井咲織 (立命館宇治中学・高等学校)

     「変わろう、変わらないために」

   

   総合討論

    コメンテーター1名

 


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