| 要旨トップ | ESJ57 自由集会 一覧 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


自由集会 W07 -- 3月15日15:00-17:00 K会場

化学物質の生態影響パート4:さまざまな生態リスク評価手法を比較する

企画者: 池田浩明(農環研)

化学物質の生態リスクを適切に管理するには、そのリスクの適切な評価が必須である。しかし、リスク管理においては化学物質−生態系という関係だけの評価では不十分である。なぜなら農業生態系において、化学農薬による生態リスクを減らすためにその使用を控えれば、雑草や病害虫に対する代替防除手段が必要となるが、そこにも別の生態リスクが存在する。たとえば、除草剤耐性や病虫害耐性の遺伝子組換え(GM)作物の導入や、総合的防除(IPM)を目指して栽培体系を変更した場合、化学農薬によるリスクは低減する一方で、代替防除手段・資材による別のリスクも生じる。さらに、栽培体系の大規模な変更は、農業経営や食糧生産の持続性、地球温暖化への影響もともなう。このように農業生態系全体を考えた場合、時空間的規模の異なる要素間の相互関係も考慮しなければならない。そこで本自由集会では、農業生態系に注目し、農薬やGM作物、雑草による生態リスクを扱う研究者に各分野の事前、事後評価さらに順応的管理の考え方について講演いただく。そしてさまざな要素間の「つながり」を意識した、農業生態系におけるリスク評価のあり方について総合討論を行う。

コメンテータ:澤田 均(静岡大・農)

趣旨説明:農業生態系のリスク管理は、農業全体のあり方の中で議論すべし 永井孝志(農環研)

遺伝子組換え作物の生態リスク評価 水口亜樹(農環研)

農薬の生態リスク評価 永井孝志(農環研)

農地雑草の総合的防除:防除の多様性がリスクを分散する 浅井元朗(中央農研)


日本生態学会