| 要旨トップ | ESJ57 自由集会 一覧 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


自由集会 W10 -- 3月15日17:00-19:00 F会場

ブラックカーボンの生態学 -そのブラックボックスへ迫る-

企画者: 小林真 (北大院農)

Q 生態系で、どれだけのBlack Carbon(BC)がどのような役割を果たしているか

BCは、有機態炭素が燃焼してできる黒色化合物の総称である。BCは、木炭、スス、エアロゾルなどと名前を変え、形を変え、土壌、森林、大気、海洋など様々な生態系に存在する。

BCは、炭素を主な材料とし、さらに微生物による分解への抵抗性が高いため、生態系における炭素貯留に重要な役割を果たしているとされる。また、BCのもつ黒色、高いC/N比、多孔質な構造などの特徴は、大気や地表面における熱収支、土壌中の養分循環など様々な生態系プロセスに影響する。しかし、このようなBCの多様かつ重要な役割にも関わらず、研究が盛んになってからの日が浅いため"Black Carbon"という単語自体に馴染みのない方も多い。

本集会では、大気-陸域生態系に存在する様々なBCについて、近年の研究をレヴューした上で最新の研究成果を紹介する。広くBCという物質の重要さ、厄介さを認識して頂くとともに、様々な分野の研究者との議論を通して、現時点でのBC研究の問題や新たな研究の方向性を探りたい。

集会の詳細http://www40.atwiki.jp/blackcarbon/pages/1.html

趣旨説明 小林真 (北大院農)

Black Carbon分析法 平館俊太郎 (農環研)

土壌中におけるBlack Carbon:炭は土壌炭素を増やしたか? 平館俊太郎 (農環研)

土壌−植物系におけるBlack Carbon:多様な炭が樹木へ与える影響 小林真, 小池孝良(北大院農)

エアロゾル・堆積物中のBlack Carbonの炭素同位体組成:soot-BC and/or GBC? 熊田英峰 (東京薬大生命)

炭素循環モデルにおけるBlack Carbon:火災の発生とエミッションに関する広域モデル推定 伊藤昭彦 (国環研), 加藤悦史(海洋研究開発機構)


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