| 要旨トップ | ESJ57 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨 |
自由集会 W11 -- 3月15日17:00-19:00 G会場
現在里山では竹林が放棄されることによって、竹林が拡大し、広葉樹二次林や人工林に侵入していることが、問題視されている。森林や里山の生態系サービスが重要視され始めてきた近年、竹林の拡大が森林の生物多様性や生態系機能の低下を引き起こすことが指摘されてはいるものの、これまで実証的な研究が十分行われてきたとは言いがたい。
西日本を中心に,北海道を除いてほぼ全国に分布するモウソウチク林も,分布の拡大が見られる代表格である。モウソウチクは17世紀に中国から導入されたタケで,日本に存在するタケ類の中でも最大である。稈長が高く,長い地下茎をもつ単軸型であるため森林へと侵入しやすい性質を有するが,ではモウソウチクからなる生態系とは一体どのような特徴を持っているのだろうか。モウソウチク林の拡大が生態系機能を脅かすものであるか否かを考える前に,そもそもモウソウチクの生態や,モウソウチク林生態系の特徴を整理する必要がある。
そこで本集会では,モウソウチク林を材料にさまざまな視点から調査を行っている研究者から最新の知見を紹介していただき,モウソウチク林研究の現状を整理する。その上で,さらなるモウソウチク林の理解に向けた今後の研究の方向性について議論したい。
司会:福島慶太郎(京大フィールド研)
コメンテータ:日浦勉(北大苫小牧研究林)
竹研究の視点
モウソウチクのクローン構造から考えるタケの開花の意義
モウソウチク林の水・物質循環
天王山におけるモウソウチクの侵入に伴う窒素循環の変化