| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第58回全国大会 (2011年3月,札幌) 講演要旨 |
一般講演(ポスター発表) P3-290
我々は通常、ブートストラップリサンプリングによって作成したデータを使って分子系統樹推定を繰り返し、得られた系統樹群から各分岐の出現確率を算出することで、分子系統樹推定の信頼性・不確実性を評価している。しかし、このときの各反復では網羅的探索や多数回の発見的探索は行わずにただ一度の発見的探索を行っていることが多いため、得られる信頼性指数にはかなりのバイアスが働いているはずである。そこで我々は、各反復における初期樹形が元データの最尤樹形から遠いときには最尤系統樹の信頼性は過小評価され、元データの最尤樹形を初期樹形にすれば逆に過大評価されると予想し、スーパーコンピュータ上でのシミュレーションデータ解析によってこの仮説の検証といくつかの典型的な条件におけるバイアスの定量化を行った。その結果、前述の仮説を支持する結果が得られた。