| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨
ESJ59/EAFES5 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-339J (Poster presentation)

霧ケ峰高原における外来種オオハンゴンソウの群落特性と分布地の現状

*落合尚子,大窪久美子,大石善隆,土田勝義(信州大・農)

霧ヶ峰高原では1970年代頃から外来種の侵入・定着が確認されており、在来草原植生や景観への影響が懸念されている。特に近年、キク科の多年生草本であるオオハンゴンソウが大群落を形成しており、早急な管理対策が必要とされている。しかし、本種の管理を行う前に把握すべきである分布地の現状は明らかにされていない。そこで本研究では霧ヶ峰においてオオハンゴンソウの生態学的な管理を検討するため、分布状況および本種が侵入・定着した場所の群落構造と立地環境との関係を明らかにすることを目的とした。

分布調査はスキー場と強清水湿原の2地域で踏査により実施した。スキー場では相観から在来種優占群落型(ススキ群落・ハンゴンソウ群落・ヤナギラン群落)とオオハンゴンソウ優占群落型、強清水湿原ではオオハンゴンソウ侵入在来群落型とオオハンゴンソウ優占群落型の計36プロットを設定した。各調査プロットは4㎡とし、その中心1㎡で調査を行った。植生調査と立地環境調査(土壌含水率・土壌硬度・相対光量子密度)を実施した。また、スキー場の管理履歴やオオハンゴンソウへの対応についての聞き取り調査も行った。

分布範囲について、オオハンゴンソウは強清水湿原、スキー場および両地域を結ぶ道路沿いで生育していた。スキー場ではより道路に近い場所やリフト沿いで生育が確認された。立地環境調査について、相対光量子密度は両地域のオオハンゴンソウ優占群落で低く、本種の相対積算優占度との間で負の相関があった。植生調査ではスキー場のススキ群落で21種、ハンゴンソウ群落で12種、ヤナギラン群落で16種、オオハンゴンソウ優占群落で7種、強清水湿原の在来種群落で17種、オオハンゴンソウ優占群落で11種が確認された。大会ではオオハンゴンソウの侵入による光環境や群落構造の変化について考察する予定である。


日本生態学会