| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨
ESJ59/EAFES5 Abstract


一般講演(ポスター発表) P3-HS02J (Poster presentation)

野鳥の生態的特徴から見た鳥類相の年間変化~戸隠森林植物園での3年間の調査から

宮澤小春 (長野市立柳町中学校)

戸隠森林植物園(長野市)の鳥類相の年間変化を調べるために、2009年4月18日から2011年10月28日までの間に76回のルートセンサス調査を行った。計33科98種20,684羽の野鳥を記録した。その内63回の調査では、計23科58種4,048羽のさえずりを確認した。野鳥を6つの移動タイプ(留鳥、漂鳥、夏鳥、冬鳥、旅鳥、迷鳥)に分類して、それぞれのタイプの個体数やさえずった個体数の年間変化に、野鳥の生活型(life type:野鳥の生活様式を、生態的な観点から類型化し、分類したもの)がどのように影響しているのかについて考察した。「野鳥が植物園内で越冬するにはどんな性質が有利か」を考えて、次の3つの観点から分析することにした。1)巣の形態(閉鎖型か、開放型か)、2)採餌場所(主に地上で採るか、樹上で採るか)、3)採餌方法(取り出し型か、飛びつき型か)。その結果、個体数の年間変化にはそれらの生態的特徴の全てが影響するが、さえずった個体数の変化には巣の形態の影響が大きいことがわかった。


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