| 要旨トップ | ESJ59 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨 ESJ59/EAFES5 Abstract |
シンポジウム S04 -- 3月18日 14:00-17:00 D会場
現在の生態系は、過去の大規模地質イベントから大きな影響を受けています。例えば第四紀の氷期間氷期サイクルは、現在の生物の分布や分化に大きな影響を与えたはずです。また、陸地の分裂・接続、島の形成や消滅も同様でしょう。このような地質イベントの生態系への影響に関して理解することは、現在の生態系のあり様を理解する上で非常に重要なことであると考えます。
6,550万年前の白亜紀末には恐竜やアンモナイトを含む多くの生物が絶滅し、地上の大型動物の主役は哺乳類へと移り変わりました。その原因が巨大隕石の衝突であることも広く受け入れられています。ここまではどなたでも既にご存知でしょう。しかし、巨大隕石の衝突が引き起こした現象は多岐にわたります。そのいずれか、またはいくつかが最終的に大量絶滅に繋がったはずですが、絶滅プロセスに関する仮説には、実はまだ決定打と言えるものがありません。そこでこの残された謎の解明に向けて、生態科学の知見を導入することで答えに近づくことができるのではないかと期待し、今回のシンポジウムを企画しました。
本シンポジウムでは惑星科学分野の研究者を中心にお招きし、白亜紀末の大量絶滅に関して分かっていること、および現在考えられている絶滅プロセスに関する仮説をご紹介いただきます。講演後にコメンテーターと聴衆のみなさんを交えて、当時の絶滅プロセスの理解に向けた議論を展開したいと思います。
コメンテーター:郡司ペギオ幸夫(神戸大)・千葉聡(東北大)・時田恵一郎(大阪大)
[S04-1] 大量絶滅の引き金になった食物連鎖の崩壊
[S04-2] 食物連鎖上位の生物の絶滅パターン-特に恐竜とアンモナイトを中心に-
[S04-3] 天体衝突が引き起こす環境変動と大量絶滅
[S04-4] 地球化学から予想される大量絶滅プロセス