| 要旨トップ | ESJ59 自由集会 一覧 | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨
ESJ59/EAFES5 Abstract


自由集会 W27 -- 3月19日 17:30-19:30 E会場

屋久島研究会:ヤクシカと植生の関係をどう捉えるか

企画者: 辻野亮(地球研)

屋久島は豊かな自然ゆえにさまざまな研究者を魅了し,森林やヤクシマザルを中心に古くから生態学の研究がなされてきた場所である.だからといって屋久島の豊かな生態系が常に保護されていたわけではなく,森林伐採や島嶼生態系における外来生物の侵入,固有植物などの盗掘,ヤクシカの増加などによって,生態系改変や攪乱などの問題が起こってきた.近年増加したと考えられているヤクシカが森林植生や農林業にもたらす影響には特に注目する必要があるだろう.ヤクシカと植生の関係は現在どうなっており,これから私たちは何を目指すべきなのだろうか.掲げる目標は,農業・林業・森林生態系・絶滅危惧種保全の何を重視するのかで異なるだろうし,取るべき手段やその効果の検証方法も異なるはずだ.また,このように検討項目が多岐にわたるにも関わらず,各研究者や行政機関,保全団体などが別働していては,各々の情報やプランの連携ができず資本や労力の浪費となるばかりか,目標達成の大きな遅れにつながるだろう.

本集会では,屋久島をフィールドにする研究者や屋久島に関心のある人々が,屋久島における調査・研究を紹介して情報共有を図り,今後わたしたちがどうあるべきかを議論したい.

屋久島生態系における現状と問題点 辻野亮(地球研)

農林業被害とヤクシカ管理の歴史 立澤史郎(北海道大)

森林における植物種多様性と樹木の更新に及ぼすヤクシカの影響 幸田良介(地球研)

屋久島における希少植物の分布:ホットスポットの特定とシカ摂食の影響評価 *矢原徹一(九州大),田川哲(環境省屋久島自然保護官事務所)


日本生態学会