| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-251 (Poster presentation)

北海道東部地域における繁殖期の鳥類

玉田克巳(道総研)

北海道の気候は、北部と東部で冷涼であり、鳥類の分布も東西で異なる種が生息していることが知られている。鳥類の生息状況にかかる一連の研究よりさらに東に位置する釧路町と厚岸町の落葉広葉樹林に6ヶ所、針広混交林に12ヶ所に調査コースを設定し、ラインセンサスを実施した。この結果を用いて、北海道の中部・南東部の一連の結果と比較することで、東部地域の平野部に生息する森林性鳥類の特徴を明らかにした。東部で出現率の高かった種は落葉広葉樹林ではウグイス、ハシブトガラ、ヒガラ、アオジ、キジバト、ツツドリ、センダイムシクイ、ハシブトガラスなどで、針広混交林ではヒガラ、アオジ、ハシブトガラ、アカハラ、ウグイス、センダイムシクイ、ハシブトガラスなどであった。東部の落葉広葉樹林では針広混交林に比べてヒヨドリの出現率が高く、針広混交林ではアカハラ、ゴジュウカラ、ウソ、コマドリ、ハリオアマツバメの出現率が高かった。東部と中部・南東部を比較すると、東部の落葉広葉樹林では、クロツグミ、アカハラ、ヤブサメ、オオルリ、シジュウカラ、キバシリ、シメの7種の出現率が、中部・南東部に比べて低かった。針広混交林においては、東部ではヒヨドリ、クロツグミ、ヤブサメ、オオルリ、イカルの5種の出現率が中部・南東部に比べて低かった一方で、アオバトとウソの2種は、東部で出現率が高かった。また、ミソサザイとルリビタキについては、東部と中部・南東部の出現率に差はなかった。


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