| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-263 (Poster presentation)

鳥類相調査におけるシジュウカラの警戒声の利用とその有効性の検討

*杉田典正(科博・動物), 鈴木俊貴(立教大・理)

さえずり音声のプレイバックに反応する鳥種を記録する方法は、鳥類相調査においてよく使われる一般的な方法である。この方法は、ある地域におけるある鳥類種の生息の有無の調べるときに特に有効である。さえずり以外にも他種の鳥が反応する音声がある。例えば警戒声は、他種のモビングを促進する。日本のシジュウカラの警戒声は2種類あり、どちらも他種を引き寄せることが知られている。本研究では、シジュウカラの2種類の警戒声が鳥類相調査に役立つかどうか調べた。調査は、2012年5,6月に軽井沢の混合林で行った。距離を十分に離した14地点で行った。警戒声AとBを各地点1回、それぞれ別の日にプレイバックした。プレイバックの順序はランダムに決めた。プレイバックの長さは15分間でその間に訪れた鳥の種類を記録した。次にプライバックなしで各地点1時間センサスを行った。全地点のデータをプールすると警戒声のプレイバックと無音のセンサスで、記録された鳥の種類はほとんど異ならなかったが、種類によっては出現する頻度が異なった。警戒声の種類によって、記録された鳥の種類は異なった。コゲラなど警戒性に誘引されたが、センサスでは見つからない種があった。カラ類は、センサスでも見つかったが著しく出現頻度が低下した。警戒声は多くの鳥を引き寄せるので、調査時間を短縮することができる。しかし、引き寄せられない鳥種もいるので、ポイントセンサスとプレイバックを組み合わせる方法が推薦される。警戒声の種類によっても他種の鳥の反応は異なるので、使用する警戒声の選択に注意した方がよい。


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