| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-431 (Poster presentation)

文系学部における生態学教育を考える

橋本みのり(大東文化大・環境)

文系学部に進学し、そこで学ぶ学生の場合、高校までに生態学に関わる知識を学ぶ時間が少なかったことやそれらへの関心も低いことが多い。一方、社会では環境問題やエネルギー問題への関心も高く、学生が将来就職を希望する企業等でも、環境へ配慮する取り組みを行うことは不可欠となっている。これらのことから、文系学部の学生であっても、生態学を学び、その基礎的な知識を身につけ、考察する力をつけることは重要と考えられる。

しかし、私立文系学部の大学生にとって「生態学」は専門科目ではなく、学生の資質や知識にもばらつきがあるために、その教育方法には工夫が必要であることが指摘されている。ソフト・ハード面での問題や生態学に関する学生の資質等、様々な点での課題があり生態学が学生自身の生活や周囲の環境と結びついたものであることの実感が持てないこともその1つである(畑田 2012)。また講義で学ぶ理論と、今我々の身近な自然の中で起こっている生態系の変化とを関連付けて考える力が乏しいという点も、生態学教育の1つの障害となっていることがうかがえる。

このことから、大東文化大学環境創造学部(人間を取り巻く様々な環境を視野に、社会科学に基盤を置いて学ぶ文系学部)の「生態学」の講義において、『生態学ニュース』の時間(各10分~15分程度)を設け、毎週その時々の生態系に関わる話題を紹介することを試みた。単にニュースを紹介するだけでなく、その背景にある課題や関連する話題も取り上げ、講義の際にもその話題を例として用いる等、理論と実際とをつなげるように工夫したことにより、学生の意識や関心が高まったと考えられる。本報告では、この取り組みによる学生の意識や生態学・生態系への関心度合の変化とこの取り組みの効果について考察する。


日本生態学会