| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(口頭発表) G2-10 (Oral presentation)

空間構造は集団のダイナミクスを安定化させるか?

佐藤一憲(静岡大・工)

集団のダイナミクスは,個体間相互作用のあり方によって大きく変化する.したがって,空間的にどれくらい離れた個体と相互作用するかによっても,集団全体でのダイナミクスは大きな影響を受ける可能性がある.格子モデルは,そのような個体間相互作用に空間構造を入れるためのモデルの一つであり,これまでに様々な結果が報告されてきた.しかし,いくつかの場合(例えば,Tainaka 1988, Satulovsky and Tome 1994)を除いて,集団のダイナミクスは安定であり,不安定で複雑なダイナミクスがあまり扱われてこなかった.

本講演では,生態学で馴染みのあるいくつかの単純なモデルを用いて,個体間の相互作用に空間的な構造を入れることは,複雑なダイナミクスを安定化させるのか,逆に,安定なものから不安定な挙動を生じさせるのか,という問題について検討する.


日本生態学会