| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(口頭発表) H1-17 (Oral presentation)

好樹液性昆虫のエタノールによる誘因効果

大澤正嗣(山梨森研)

好樹液性昆虫として体が大きく、個体数も多い、大型ハナムグリ類が、エタノールで誘引した甲虫捕獲用トラップで多数捕獲されてくる。好樹液性のチョウ類数種では、エタノールのみでは誘引されないことがわかっているが、成虫の食性が類似した大型ハナムグリ類は、エタノールに誘引されるのか、その効果を調査した。

山梨県森林総合研究所実験林のコナラを中心とした2次林内に、2013年夏、衝突板式バケツトラップを6地点に設置した。その内3地点にエタノールを誘引物質として付け、3地点はコントロールとした。一週間ごとに捕獲された甲虫を回収し、同時にエタノールを付ける地点とコントロール地点を入れ替えた。

その結果、好樹液性大型ハナムグリの中には、エタノールにより、誘引される種が多かったが、されない種も認められた。好樹液性のチョウであるオオムラサキはエタノールに誘引されなかった。コメツキムシ科の中にはエタノールを忌避する種も見られた。


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