| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(ポスター発表) PB1-HS20 (Poster presentation)

カイミジンコの走性・耐性に関する研究

*五重目和成, *坂口陸, *西本優姫, *播摩彩夏 (広島県立広島国泰寺高等学校)

カイミジンコは,魚に食べられても生きて排出される。なぜだろうか?それは,カイミジンコが持つ特殊な殻にある。殻はキチン質という素材でできており,ある程度のpHに耐えることができる。その正確なpHの値を調べるとともに,習性を知るために重力・光・温度の走性について調べた。走性はそれぞれ正の走性がある結果がでたが,不確かな面もあるため再度正確な実験を行っていきたい。pH耐性ではpH0.8~12.05の水溶液を作成し,それぞれにカイミジンコを入れ,観察を行った。その結果,殻を閉じることでpH4~11に耐えられることが分かった。文献を調べると,魚の胃液はpH4.5~4.7の間だと記されていることから,体内でも十分生命を保っていられることが証明された。また,より魚の体内に近づけるため,酸性の水溶液にペプシンを溶かして実験を行った。ここでも,カイミジンコの生存が確認された。次いで,金魚・メダカにカイミジンコを食べさせ,排出物を観察する実験を行った。しかしカイミジンコの殻だけが確認され,生存している個体は確認できなかった。その原因をさぐっていきたい。カイミジンコは太古から生きている。この実験を発展させ,カイミジンコの秘密を探っていきたい。


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