| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(ポスター発表) PB1-HS22 (Poster presentation)

ナベブタムシの研究

*野間郁代, *濱田莉奈, *眞鍋友理乃, *池内匡和 (愛媛県立今治西高等学校生物部), 小野榮子 (研究指導者)

蒼社川上流部(愛媛県今治市玉川町)でナベブタムシ(Aphelocheirus vittatus)を採集し、その生態について興味を持ち、その中でも温度による耐性、pHによる耐性、呼吸方法を中心に、研究・実験をした結果を報告する。

温度耐性については、4℃以下また40℃以上で仮死状態に陥るが、常温に戻すと活動が再開した。10℃から30℃では最も活発に活動した。pH耐性では、pH1~11まで実験した結果、pH3以下の酸性条件には弱く、逆にアルカリに対する耐性が高かった。呼吸方法に関しては、多数の文献(Thorpe&Crisp,1947等)においてナベブタムシの成虫はプラストロン呼吸をしていると述べられていたが、電子顕微鏡による観察の結果では腹部の体表と、気門の接合部付近の表面に密な毛は見当たらず、また実験の結果、少なくとも本校で実験に用いた愛媛県産のナブタムシは、幼虫のときは皮膚呼吸をしており、成虫ではプラストロン呼吸でなく、他の方法で呼吸をしていると考えられる。


日本生態学会