| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(ポスター発表) PB1-HS26 (Poster presentation)

港のアリー外来アリのモニタリング

西俣菜々美, *西牟田佳那, 福倉大輔, *榎本茉莉亜, 栗巣連, 山口大河 (池田学園池田高等学校)

鹿児島県本土及び大隅諸島,トカラ列島の15港から42種のアリが採集された.そのうち10種(23.8%)は外来アリであった.屋久島宮之浦港(28種)で最も多くのアリが採集され,鹿児島港南埠頭ではわずか7種であった.鹿児島県本土では,各港で採集された種数に大きな違いがみられたが,これは調査した港の環境の違いによるものだと考えられる.すべての港で採集されたアリは,クロヒメアリと外来アリのケブカアメイロアリだった.

ハニーベイトへの出現頻度によって推定された港の最優占種は,トビイロシワアリ,インドオオズアリ,クロヒメアリ,オオズアリ,オオシワアリの5種であった.特にクロヒメアリは多くの港で最優占種であった.5種の最優占種のうち,インドオオズアリとオオシワアリは外来アリであった.

外来アリのキイロハダカアリは,これまで小笠原諸島,南西諸島(屋久島まで)に分布していたが,今回の調査によって日本本土(枕崎港)で初めて採集された.働きアリに加え女王アリも一緒に採集されたので,枕崎港周辺での定着はほぼ確実であると思われる.在来種に大きな影響を与える種ではないが,今後,分布域を拡大しながら九州本土を北上するものと考えられる.


日本生態学会