| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(ポスター発表) PB1-HS48 (Poster presentation)

東京都八丈島底土におけるハードコーラル被度調査と被度推移

*角田圭吾 (成蹊高等学校生物部), 佐藤尚衛 (成蹊中学高等学校生物科)

東京都八丈町の底土地区は現在,港湾開発を行っており,港脇の底土海水浴場に生息するハードコーラルへの悪影響が懸念されている。そこで底土海水浴場内に生息するハードコーラルの被度調査をルートセンサス法により調査し,ハードコーラルの生息状況を調べた。ルートは底土海水浴場を南から北に横断する形でとり、底土海水浴場内中心部分の調査をメインとした。OLYMPUS PEN Lite E-PL2水中カメラを用い,ルートライン上をスノーケリングで水面から随時撮影を行い,水深調整はカメラの手持ち位置の調整によりほぼ2mを維持した。その後,写真をExcel面積測定でハードコーラルの被度面積を算出した。その結果,ルート上における被度は29%でPocilloporaAcroporaが優占種となっていた。11年前の2002年のサンゴ被度調査の結果では,被度は38.5%で優占種がFaviidaeのFavitesGoniastreaとなっていたが,今回の調査ではFaviidaeは非常に少なく,その数が前回の調査より大幅に減少していた。Faviidaeの減少が被度減少の直接的要因と考えられた。Faviidaeは1個のポリプ面積が大きいため,港湾開発による堆積物の流入による影響を受け易く,これが今回の減少に起因していると推察された。


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