| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(ポスター発表) PB1-HS55 (Poster presentation)

トウモロコシのC4回路は二股か!?

*松島耕平, *月山皓太, *中前理沙, *大西満希, *堀亮真 (広島県立広島国泰寺高等学校)

C4植物であるトウモロコシはNADP-ME型とPEP-CK型の2つの光合成回路をもっている。なぜトウモロコシが2つの回路を持っているのか,どのような場合に回路を使い分けているのかを調べた。予備実験としてトウモロコシの内部構造を観察し,トウモロコシが2つの細胞を使って光合成を行っていることを確認した。本実験では,栽培化あるいは品種改良の過程で回路の使い分けがなされたのかを実験した。テオシント,スノーデント王夏,スノーデント115に関与する4つの酵素の発現をmRNAの遺伝子解析によって調べた結果,それらの過程では,回路の使い分けはみられなかった。次に時間による2つの回路の使い分けの実験をした。使い分けは確認できなかったが,12:00と24:00とでは12:00の方がmRNAの発現量は多かった。これは光合成を活発に行う昼の方がより多くの酵素を必要とするためだと考えた。さらに,文献から低温でPPDKは失活することを知り,低温下と高温下でPPDKの発現量を調べた。その結果,高温の方が発現量は多く,低温下でNADP-ME型の代謝は弱まることが分かった。現在は温度によるPEP-CK型の回路のPEP-CKの発現量を現在調べている。予想では低温下で発現量は増加し,PEP-CK型の代謝は活発になると考えている。


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