| 要旨トップ | ESJ61 フォーラム 一覧 | | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨 ESJ61 Abstract |
フォーラム U04 -- 3月16日 18:00-20:00 E会場
日本生態学会は、生物多様性の保全と自然再生に、積極的に学術的貢献をしてきた。今後これらが社会により広がるためには、行政が地域の住民、NPO、および企業が学術研究者と連携する包括的な地域連携が望まれる。2011年施行の生物多様性地域連携促進法(里地里山法)も、こうした取り組みの促進をめざしたものである。法人格を得ようとする本学会にとって、これらの取り組みを支援していくことは、重要な使命になるであろう。
広島県東広島市の西条地区は、灘、伏見と並び、酒どころとして知られる。日本酒の命の一つは水であり、この生態系サービスを保全するためには水源地の保全が不可欠である。西条の水源地保全は、西条酒造協会(9社)を中心に運営される「西条・山と水の環境機構」、および各社が清酒の売上げの一部を拠出した「西条・山と水の基金」によって行われている。当機構は東広島やその近辺の文化や産業を育んできた水をいつまでも享受し、美しい故郷を次の世代へ手渡していくことを使命とし、市民、行政、大学(広島大学など)等と協働し活動している。
一方、生物多様性の保全を真剣に考え、行動する企業の集まりである一般社団法人企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)でも、水は生態系が提供する重要な資源であると考え、企業による生態系に配慮した水利用のためのガイドラインの策定を進めている。
本企画では、こうした企業・業界の活動を市民、行政、大学との協働も含めてご紹介いただき、今後の産・官・民および学界の協働の展開を検討する。これにより、生態学会関係者と企業人の間での協働の活性化をはかりたい。
[U04-1] 西条・山と水の環境機構の10年間の活動について(仮)
[U04-2] 企業が考える生態系に配慮した水の利用