| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


一般講演(口頭発表) B2-34 (Oral presentation)

日本からアメリカに侵入した外来ミミズを火入れで管理できるか?

*池田紘士(弘前大学), Mac A. Callaham, Jr., Joseph J. O’Brien, Benjamin S. Hornsby and Evelyn S. Wenk (USDA Forest Service)

近年、多くの生物が新たな環境に外来種として侵入している。目に見えやすい地上の生物では比較的研究が進められているが、土壌動物がもたらす影響については研究が進んでいない。ナガミミズ目に属する陸生ミミズは、土壌動物の中でも大型、土壌に与える影響も大きい。そのため、ミミズが外来種として侵入した場合には大きな影響を与えることがある。ハタケミミズ(Amynthas agrestis)はアジアからアメリカに侵入して分布を拡大した外来種だが、アメリカでの生活史に関する知見も不足し、これに対する十分な対策は行われていない。

本研究ではまずハタケミミズの生活史を明らかにするため、飼育実験を行うとともに、野外で採集した個体の安定同位体分析を行って利用餌資源を推定した。その結果、リターが重要な餌資源であり、生存率と産卵数に大きく影響することを明らかにした。次に、外来植物を管理する手法である野焼きが外来ミミズにも有効かを検証する実験を行った。野外に1.3m×3.0mの飼育プロットを8つ設定してハタケミミズを定着させ、秋にリターを焼いた。その結果、火入れ中の地上での温度は高く、リター量は燃えることで有意に減少したが、地表から5cmの深さでは温度はあまり上昇せず、個体数の有意な減少はみられなかった。それに対し、火入れ後の卵包の孵化率は有意に低下していた。このことから、野焼きは餌資源であるリターを奪うことと卵包の孵化率を低下させることで、外来種の管理に有効だと考えられる。アメリカの大半の在来ミミズは土壌中に生息していることから、野焼きは在来ミミズへの影響をあまり与えずに外来ミミズの個体数を減らせる可能性がある。


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