| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


一般講演(ポスター発表) PA2-038 (Poster presentation)

希少樹種クロボウモドキ(バンレイシ科)の個体群構造

*指村奈穂子(琉球大・熱生研),池田明彦(品川区公園課),大谷雅人(森林総研・林育セ),澤田佳宏(兵庫県大・緑環境),須貝杏子(森林総研), 内貴章世(琉球大・熱生研),古本良(森林総研・林育セ),横川昌史(大阪自然史博)

クロボウモドキ(Monoon liukiuensis)は、西表島、波照間島および台湾の蘭嶼のきわめて限られた場所にのみ生育するバンレイシ科の高木である。その希少性の理由を検討するため、まず個体群構造を明らかにすることを目的として調査を行った。

全ての生育地において主な生育パッチを含むように、サイズ75~225 m2のコドラートを合計10個設置し、樹高50 cm未満、50~100 cm、100~130 cm、130 cm以上の4区分で個体数を数え、130 cm以上は胸高直径と樹高も測定した。

胸高直径は最大で35.7 cmで、樹高は12 m程度で頭打ちになっている個体が多かった。樹高50 cm未満の実生は、高密度のところでは2.5 m四方あたり299本にのぼり、胸高直径10 cm以上の個体の樹冠下に集中していた。樹高50~130 cm、及び胸高直径10 cm未満の稚樹は狭い範囲に集中していた。胸高直径10 cm以上の大型個体は全コドラートで43個体しかなく、コドラート外の個体数を含めてもとても少ないと推測された。直径階分布と樹高階分布には、少数の大型個体と多数の実生と稚樹からなる分布型、少数の大型個体と多数の実生からなる分布型、稚樹のみが多い分布型があり、各島にさまざまな型がみられた。

クロボウモドキは、各島で隆起サンゴの石灰岩地のみに生育し、その中でも非常に狭い範囲にしか分布していなかった。実生が母樹下に集中分布し、更新が断続的に行われるという生活史特性が、その希少性の一因と考えられる。


日本生態学会