| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


一般講演(ポスター発表) PA2-203 (Poster presentation)

Tea Bagを用いた分解活性指標:標高・土壌温暖化・リター量処理の影響

*鈴木智之(東大),井田秀行,小林元,高橋耕一(信大),Nam-Jin Noh,村岡裕由(岐阜大),廣田充,清野達之,鈴木亮,田中健太(筑波大),飯村康夫(滋賀県立大),角田智詞(首都大),丹羽慈(自然環境研究センター),日浦勉(北大)

野外におけるリターの分解は、リター自体の質にも大きく影響を受けるため、その環境の分解活性自体を多地点で比較する場合、何らかの標準試料の分解を評価する必要がある。本研究では、近年提唱された既成品のTea Bagを用いて分解活性を調べる方法を用いて、2500m以上の標高勾配のある中部山岳、土壌温暖化およびリター量操作実験における分解活性の環境応答性を調べた。

Tea BagにはLipton社製のルイボスティーとグリーンティーの2種類を用いた。中央アルプス、北八ヶ岳、乗鞍岳、奥秩父山地などの山岳域の標高120-2800mの計55地点にTea Bagを埋設した。さらに、岐阜大高山試験地と北大苫小牧研究林では土壌温暖化区の内外に、信大西駒演習林2600m地点と苫小牧研究林では、リターの除去区・付加区・無処理に埋設した。各地点にTea Bagを各種類6-10個ずつ埋設した。原則6月上旬-7月下旬に埋設し、90日後に回収した。2種類の茶葉の分解率から、短期分解速度の指標(k)と長期蓄積の指標(S)を計算した。

短期分解速度の指標kはpHが高いほど大きく、長期蓄積の指標Sは地温が高いほど小さかった。また、土壌温暖化によってkが大きくなる傾向があった。リター処理の影響は年、場所によって異なっていたが、リターの除去によってkが小さくなる傾向、リターの付加によってSが小さくなる傾向が見られた。以上より、分解活性の指標kとSはそれぞれ環境要因への応答性が異なる指標と言え、様々な環境の分解活性を二次元的に評価できる手法であると言える。


日本生態学会