| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


一般講演(ポスター発表) PB2-186 (Poster presentation)

釧路キャンパスにおけるエキノコックス防除の試み

*伊原禎雄,小林秀大,山田 駿,山内雄大,青木省吾,佐々木里歩,長澤愛理,高橋拓守,吉藤研人

北海道では都市近郊においてもキタキツネを良く見かける。キタキツネはエキノコックスの主要な宿主であり、ヒトでのエキノコックス感染症は主にそのフンを介して生じるとされる。そのため感染リスクの軽減を目的にキツネの駆除が実施されてきた。しかしながら、命の大切さを教育目的とする小中学校等の現場では、駆除に対して慎重にならざるを得ず、その対策を苦慮してきた。近年、キツネの駆除を伴わないエキノコックス感染予防方法としてベイト法(駆虫薬を混ぜた餌を散布する方法)が開発されたものの予算的な制限や人員の問題から、多くの自治体では導入を見送ってる状況である。そこで、町村単位の大規模面積ではなく、学校等の小規模面積でこの方法を導入できないか検討することとした。検討に先立ち、小面積でのこの方法の効果を評価するためにキタキツネが生息する北海道教育大学釧路校の敷地内を対象に2014年11月より実際にベイト散布を開始した。今回の発表では、ベイト製作や散布等の作業・経費等のコストやキタキツネによるベイトの利用状況を報告する。


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