| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


一般講演(ポスター発表) PC2-HS15 (Poster presentation)

カワニナを通して考える地域の生態系~国内外来種問題への提言~

*中山拓磨, *毛利匠, *森佳穂, *櫻井基樹 (岐阜県立岐山高等学校)

平成24年度、岐阜市内の論田川で琵琶湖固有種であるタテヒダカワニナと形態的によく似たカワニナを発見した。このカワニナは琵琶湖固有種のタテヒダカワニナと近縁であることが分かった。平成22年度まで行われていた琵琶湖固有種のカワニナの放流の影響ではないかと考えたが、論田川で放流が行われた記録はなかった。岐阜市内の他の川の17ヶ所で放流された琵琶湖固有種のカワニナが移動して定着した可能性が考えられる。また、分子系統樹による種の同定に限界を感じ、制限酵素による種の同定方法を模索した。その結果、制限酵素BceAⅠが、カワニナ、チリメンカワニナ、クロダカワニナ、タテヒダカワニナの4種を区別するのに有効であるということが分かった。この方法を使用することで、分子生物学的な種の同定に掛かる経費と時間を大幅に削減することができた。さらに、大垣市で琵琶湖固有種のカワニナが放流されていると知り調査を行った。そこで生きた琵琶湖固有種のカゴメカワニナとタテヒダカワニナを発見した。しかし、その後調査を続けたところ次第に確認できなくなった。下流に流されたか、環境に適応できず死滅したと考えられる。


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