| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


シンポジウム S07-1 (Lecture in Symposium/Workshop)

趣旨説明:次世代の経済・社会と生物多様性の政策の統合にむけて

*西田貴明(三菱UFJ),宮本祐輔(三菱UFJ)

生物多様性の劣化を含む、さまざまな地球環境問題への本格的な対策が求められる一方で、我が国の中心的な社会的課題(人口減少・高齢化、国内経済の停滞、国の債務超過等)も深刻化している。地球環境問題においては、生態学が生物多様性保全や地球環境問題の解決に期待される役割が増大することには疑いようもないが、社会的課題が密接に関係した環境問題については、生態学、環境保全からアプローチだけでは、社会的な合意形成が進まず、本質的な解決に至らない部分も大きい。このような社会の諸問題の解決に向けては、研究分野の学際的な議論や、学術研究と政策・事業の統合化を進める必要があり、各分野において活発な議論が始まりつつある。しかし、社会経済と生態学の連携においては、地域や事業ベースにおける機会は拡大しているものの、社会・経済システムの全体としてみると端緒についたところである。本シンポジウムにおいては、経済・社会と生物多様性の政策的な統合に向けて、生態学、生物多様性保全をツールとした社会課題の解決を図る視点として、地域の社会価値の創出、経済活動の振興、人材の育成の3つテーマを設定し、経済・社会における生物多様性の主流化を促進させる議論を前進させたい。


日本生態学会