| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


シンポジウム S09-2 (Lecture in Symposium/Workshop)

自然草原における生物多様性消失シナリオによる生態系機能の変化について

佐々木雄大(東大・新領域), 吉原佑, 高橋昌也, 陶山佳久(東北大・農), Nyambayar Dashzeveg(モンゴル国大), Xiaoming Lu, Yongfei Bai(中国科学院)

生物多様性と生態系の機能の関係についての研究の蓄積により、概して生物多様性の減少は生態系の機能に負の影響を与え、生態系を利用する人間社会にも悪影響が及ぶ、ということがわかってきた。しかし、どのような仕組みで、生物多様性の消失によってさまざまな生態系の機能が損なわれるのかという根本的な問いに対して、未だ明確な答えは出ていない。また、先行する多くの生物多様性実験は種の消失が無作為に起こることを仮定しており、野外で実際に起こりうる種の消失による生態系機能への影響を必ずしも捉えていない。このことは、実験から得られる知見を生態系管理へ応用する上で大きな障壁となると考えられる。本発表では、モンゴルや中国の自然草原を対象に、現実的に起こりうる種の消失シナリオを考慮した生物多様性実験プロジェクトの初期結果を紹介しながら、プロジェクトおよび当該テーマにおける今後の展望について解説したい。


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