| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


一般講演(口頭発表) H2-13 (Oral presentation)

テングザルの鼻はなぜ長い?

*松田 一希(京大・霊長研);John Sha(京大・霊長研);Ismon Osman(シンガポール動物 園);Sen Nathan(サバ州野生生物局);清野悟((公財)横浜市緑の協会 横浜動物園);香田啓貴(京大・霊長研)

東南アジア・ボルネオ島の固有種であるテングザルは、体格、鼻の形態に顕著な性的二型がみられる。雄は雌の2倍もの重量を有し(約20㎏)、長く伸びた大きな鼻が特徴的である。これらの一連の雌雄差は、性選択による産物だと逸話的に語られてきた。しかし、それがどのようなメカニズムを経て進化し、その進化にどういった意味があるのかは大きな謎に包まれている。そこで我われは、テングザル雄の鼻の肥大化に、その音声が密接な影響を与えていると考え、異なる大きさの鼻をもつ雄の音声、体重の関係性を検討した。また、人工的に操作した雄の音声を使ってのプレイバック実験、野生下における異なる大きさの鼻をもつ雄に対する雌の選好性も検討した。本講演では、飼育下、野生下のテングザルから明らかになった、雄の鼻の肥大化が促された進化要因の一端をお話ししたい。


日本生態学会